沖縄では内地と同じ形での漬け物はあまり発達しませんでした。
浅漬けよりも長期保存のきく漬け物が発達した。中でも特産のさとう漬けは地漬(ジジキ)といわれ、戦前は大抵の家で作られ、ウチャワキ[お茶うけ]にも出された。食事中に漬け物を食べる習慣はないが、島菜や大根葉などの塩揉み程度のものは、おかずの一つとして出された。
地漬 大根、ゴーヤー、モーウイなどを塩で下漬けして脱水したあと、黒砂糖でつけ込む。漬け込んでいるうちに、黒砂糖が発酵して奈良漬けのように美味になる。
梅酢漬 下漬けをしたゴーヤーや瓜などを、氷砂糖と梅干しで漬けたもの。今でいうピクルスである。
アジケーナンムン ナンムンとは酒の肴とでもいうような意味。アジケー(シャコ貝)を下漬けしたあと、氷砂糖と唐辛子で漬けたもの。
らっきょう漬け、ニンニク漬け(甘酢漬) 氷砂糖と酢に漬けて長期保存用の漬け物にし、ウチャワキにも出された。
粕漬 酒造所の多かった首里では粕漬も作られた。
那覇市史資料編第二巻中の7 p200黒糖漬の味に親しめれば家庭菜園で馬鹿みたいにゴーヤーができても大丈夫です(笑)。ゴーヤーはピクルスも意外といけます。
沖縄の漬け物といえば、大根、キウリなどを、土地の産物である黒砂糖で漬けたものが多い。いつしか黒砂糖は発酵してアルコールに変わり、南国的な漬け物になる。といって、もともと沖縄には、食事の時に漬け物を食べる習慣はなく、お茶菓子のかわりだった。
料理沖縄物語/古波蔵保好 p163年寄りは冷めたお茶も飲みませんし、冷えた飲みものもあまり口にしない人がいます。昔は夏でも熱いお茶を飲んだはずなのでそういうときのお茶うけに漬け物など口にしていたのでしょう。
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