1962年3月1日付の市民の友にはスラム街実態調査の記事(予告?)があり、3月15日に行うという予告と地図が掲載されています。
その図の範囲は下の図のようになっています。
※牧志ウガン後方は書かれていませんがここもなかなか解消しなかったスラム地域です
6、7、8、9区を中心とする旧那覇市内には木造低層の建築物、つまりスラム街が集中し、那覇市の都心部ともいうべき市街地は、住宅や商社が平面的、無秩序にのびており、そのため、道路、上下水道、都市広場などの都市施設が設置されていないので、防火防災、郵便配達がスムーズにいかず(略)
市企画室ではスラム住宅の多い市内6区、7区、8区を中心とする約4200世帯について来る[62年]3月15日から、総合的な住宅実態調査を実施することになりました。(略)
なお、来る3月15日から実施するスラム街実態調査は、スラム街地域における人に、世帯を確実に把握し、住宅や敷地の所有関係建築物の構造等について総合的に調査するが、調査の結果についてはスラム街改造計画の資料以外に利用するころは絶対にないので、市企画室では調査の対象(別掲地図参照)となる市民のみなさんの積極的なご協力を希望しています。
市民の友 1962年3月1日 第139号(省略と抜粋)紙面には視察を行う西銘市長の姿やスラム街の風景が掲載されています。下の写真は市民の友にも同じものが掲載されていて「
ここは郊外の農村部落ではありません。国際都市といわれる那覇市のど真中にまだこんな住宅が残っているのです。(那覇市消防署松尾出張所裏一帯)」とキャプションがついています。

同じ写真の高解像度版は以下アドレスで見られます。
http://naha.machitane.net/old_photo.php?id=1786市民の友148号(63年1月)にもスラム街について触れられています。
[企画部長]大局的に見ますとスラム街化した地域は市の全域に散在していますが、とりあえず防火、防災、都市美のうえから不良住宅が集中的に建っている都心部、すなわち松尾消防署裏から刑務所裏にいたる6区から9区のおよそ8万坪、3700世帯を事業対象に指定し、すでに住宅構造を中心とした総合的実態調査を実施し、現在は土地の調査測量を行っています。この二つの調査に基づいて、土地の利用計画をたて適正な街区を造成し、近代的な住宅建設、すなわちスラム街の解消に着手する考えです。
市民の友 1963年1月15日 第148号(省略と抜粋)1962年の間に調査が行われていたことや調査が続行中であることなどがわかります。
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