「医師 仲地紀仁/仲泊良夫」というハードカバーの100ページもない本があります。半分程は英語、1968年発行、2.5ドルです。
沖縄の種痘にまつわる本なのですが、那覇士族松氏をめぐる本のようでもあります。それほどこの一族は医療関係者を多数輩出しています。
また那覇市長も出ています。
付録として「プラット婦人の思い出/仲地紀晃」と題されたベッテルハイムの孫娘が1937年に沖縄に訪れた際の交流記があり、自分のような戦前の那覇に興味のある人間には馴染みの深い名前が頻出する記録になっています。この文章は1950年にかかれたものらしく、その当時でさえもう歴史になってしまっていますが面白い読み物です。
戦前の那覇には西本町に元順医院というのがありますが、後年那覇市長となる金城紀光が開設したものです。この金城紀光さんも松氏で元祖の金城紀嘉(1716-1782)が元順という名前だったようですからここから病院の名前をとったのでしょう。
金城紀光
1875-1967明治-昭和時代の医師,政治家。
明治40年県立沖縄病院長となり、大正9年私立元順病院を設立。那覇市会議員、県会議員をへて、昭和7年衆議院議員(政友会)。10年那覇市長。戦後は金武保養院長などをつとめた。昭和42年8月10日死去。東京帝大卒。
http://kotobank.jp/word/%E9%87%91%E5%9F%8E%E7%B4%80%E5%85%89PR