大正5年の沖縄県人事録から福岡商会、画像は沖縄県立図書館貴重資料デジタル書庫から。画像は切り出して画質調整してあります。
薬舗 福岡商会
明治25年前主福岡伊之助氏和歌山県より来県し、楠見支店と称し、那覇に於て本県唯一の薬店を開業せるものは即ち現福岡商会の前身にして、当時は本県に一の薬店無かりし時代なれば其売行も至って少なかりしも、氏は能く此の難関を切抜けて今日あるに至らしめたるは偉とすべし。同店の業務は二区は勿論各地方へ売子を出して購買業者の勧誘販売に力むる外、医療工業薬品の販売をも為し、更に新式の広告術を利用して洋酒、絵具、染料等の委託販売をも営み、今回の欧州戦乱に際しては巨万の利を獲得せり。一方薬学士伊野波盛益氏を聘し監督の任に当らせて製剤に改良を加へたる結果、今や沖縄の模範売薬として各所に歓迎せらる。大正元年業務を嗣子たる現主叶氏に譲りて福岡商会と改めたるが、近々合名組織として業務拡張の企ある由。吾人は重土捲来前途を有する同店に向って益々成功を期待すると共に、我県の為め貢献精励せられん事を切に祈る。
(那覇市大門前通り 電話227番)
沖縄県人事録/楢原 翠邦編 (抜粋と編集)楠見薬局だと思うのですが、後年の移転を含めまだよく整理できていません(後日追記します)。
参考:
グダグダ(β) 我喜屋良徳 (元楠見薬店店員)
那覇まちのたね通信 | 那覇(商店)/楠見本店/戦前/店主は楠見長栄氏。/(1935年頃)
http://naha.machitane.net/old_photo.php?id=1027PR