大正館は徳之島出身者の経営する旅館です(沖縄県人事録[大正5]による)。
奥山奥千代さんは徳之島から沖縄に来て海運業に身を置き、大正初頭に西町に旅館を作ったようです。きれいには写っていませんが写真もあり、木造二階建ての大きな旅館であった事がわかります。

画像は「沖縄県立図書館 貴重資料デジタル書庫」よりダウンロードした沖縄県人事録(大正5)の画像から切り出しました。
大正館 旅館
那覇区西本町一ノ一一
同館の経営者たる奥山奥千代君は鹿児島県大島郡亀津村の人、つとに本県に来りて海運界に活躍し、躯幹倭小なるに似ずすこぶるの活動家として声望あり。其本館を開設せしは大正の初頭なりしを以てこれを大正館と名けしが名は実の賓にして、其の施設経営は総て大正の新式により、規模甚だ大ならずといえども諸設備整頓して亦一の間然とする処なく、現今数多き同業者間に在りてすこぶる隆盛を極めつつあり。
(略)
而して其位置は桟橋に近く、また那覇市内の各所に至る枢要地に在るを以て便利よく(略)
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