いずれにしても、サトウキビの畑を見るたび、わたしが思い出すのは、その汁がとても甘かったことである。
わたしがコドモだったころに栽培されていたのは、今の品種とは異なっていて、大茎種といわれていた。今は白い穂の出るのが成熟したしるしだそうだが、あのころは白い穂が出たら、茎は水気を失っていたのである。したがって白い穂の波を見ることはなかった。
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昔の大茎種はやわらかくておいしかったけど、いまの白い穂が出る品種はどうだろう?と郷里にいる友人に尋ねると、堅いのなんの、あれは機械で絞るほかないっという答えが返ってきた。
糖度はきわめて高いそうだのに、キビを噛む楽しみは、思い出の中へ去ったのである。
料理沖縄物語/古波蔵保好 p40〜44 (抜粋と省略)都市部では盆の時期に飾るくらいしかサトウキビにも触れませんね。
しかし昔の人間がサトウキビをかじっていたという謎がやっと解けました(笑)。今の品種では無理なんですね。
製糖は冬がシーズンなのでお盆用に大茎種を作って売ったらいいのに。
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