クーイユは鯉、ターイユはフナです。
那覇市史資料編の衣食住の項よりクスイムンのクーイユシンジを引用します。
フナは泡盛を振りかけて泥臭さを抜き、ンジャナ(苦菜)と一緒にゆっくりに出してスープを取る。熱冷ましに良いといわれた。
クーイユシンジ(鯉のスープ)昔から病人用スープとして作られた。鯉の生き血は弱い子供の発育を助けるといわれていた。
フーチバーはリューマチ、解熱に効くといわれ、現在もよく食べられている。
白いか、エビは逆上せのサギグスイに用いられた。
シブイ(冬瓜)は咳止め、利尿に効果があるとされた。
パパイヤは消化剤、催乳剤によい。
海人草は駆虫薬として終戦直後まで利用されていた。
ンジャナは腹痛に、ニンニクは風邪によく、イーチョウバー(ウイキョウ)は咳止めに良いとされた。
那覇市史資料編第二巻中の7、p195(一部編集)クーイユシンジは鯉の煎じ薬でしょうね。
昔飲まされたことがあるのですが恐ろしく苦くてとんでもない味でした... 生きたまま水から茹でられた鯉が暴れ回り必死で蓋を押さえる婆様を憶えています(笑)。
戦前の那覇の市場でも
ターイユマチというのがあり売られていたようです。たしか現在でも栄町にもあったような記憶がありますが定かではありません。
那覇市史のクスイムンの項には他にイラブー、蜂の巣、青汁、カタツムリなどがあげられています。
また四つ足は薬という観点からは犬猫もヒージャーと同じようにクスイムンになります。
注意しておきたいのは現在の対症薬としての「薬」ではなく薬膳・滋養としての「クスイ-ムン」ですからそのへんをお間違いなきよう。
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